だだお島

【適】ダダオのログ【当】

潰す潰す(moment)

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2014年1月19日 広島県福山市 鞆の津ミュージアム
『山下陽光のアトム書房調査とミョウガの空き箱がiPhoneケースになる展覧会』
ヒカルさんと僕は開催数日前から、この美術館で泊まり込んで過ごした。アットホームな側面がある美術館なので自分たちの生活スペースを作ることは容易でした。どうしても出ちゃう生活臭はスタッフのみなさんが一気に換気し払いのけてくれて、開催初日には本来の凛とした雰囲気の美術館に戻っていた。新聞に記事は載るけど来館者がそうそう来るわけではなくソワソワだけしていた。
ホテルに泊まって(ゆきずりの女と行きたい鞆シーサイドホテル - だだお島)気分よくなった2日目、山下陽光と日比野克彦のトークショーがある日だった。他のトークショー登壇者と違い何の縁もない人と互いの打ち合わせがないままヒカルさんは何を話すのか心配&楽しみだった。ヒカルさんとクシノさんが打ち合わせで使っていたHIBINO作品集を持ってトークショー会場へ行った。東京から来ていた森美術館で働いているヤマトさんって女の人とヒカルさんと僕は会場である幼稚園の遊具で開演直前まで遊んだ。どうなるのか心配トークは楽しいトークになっていた。クシノさんの睨んだ通りか何なのか何となく共通する思考が垣間見えて面白かった。よくよく考えればベシャリのヒカルさんだし、HIBONOさんもテレビであんだけトークしてたりしてんだから、何の心配もいらないし僕は何目線だったんだろう。
知り合いのマリンさんが「私サイン書いてもらいたい」と言うので「じゃあ僕がトーク終わったらサインねだりの特攻になります」と話した。その時、マリンさんとヤマトさんに「作品できちゃう」と漏らし、狙い目つけてHIBINO作品集を持ってサインをねだりに行った。
僕「これにサインしてください」
H「名前は?」と手慣れた対応でなされるがまま名前を言う。
H「こんな本どこにあったの?」と聞かれ、クシノさんが図書館で借りたという経緯を話すことにたじろいで何も言えないでいると、鉛筆で薄く書かれた¥4900を目にして
H「あ、古本屋か」と察して、違うんだけど、どうやらそうみたいですねとも言えず
僕「ありがとうございました」「この人もサインお願いします」と列を作って逃げた。
HIBONOさんには作品集をずっと抱えて持っていた僕をアーティスト志望のくすぶった
ファンの青年に見えていたと思う。
 
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ヒカルさんと出会う前、僕は「作る」ことに詰りがあった。出会って以降、楊枝でポツっと穴を開けられるように「作る」ことは広く狭く難解かつ単純になった。そして僕の「作品」定義は以前と大きく変わってしまい、どんな意味やコンセプトを込めても、ただ絵を描いたり物を作ったりするだけが作品ではなくなった。とはいえ単純に絵も描きたいし物を作ることはやめない。そして、これを作品と認めてくれたのは、その場に居たヤマトさんとマリンさんだけで、どちらかといえば褒められないもの。今はギスギスを感じる事もあったり聞いたり、センスがどうのとか、それは違うとか、みんな作者で批評家なのだという思いとかを詰めて、名前を『潰す潰す』にする。作品ではなかったとしても作品集であることは変わらない。
ヒカルさんが営んでいた高円寺の店「素人の乱・シランプリ」(現:未完成)の店前で僕が「もうダメだ〜」とうなだれていたら、何かを察してか適当に「限界?ダダちゃんの限界芸術?」といつも調子で言い、何にもしらない僕は「限界芸術て何ですか?」と聞いて、教えてもらったのがはじめての限界芸術。
2月23日には今日の限界芸術をもっと知れるかもしれない、山下陽光と福住廉のトークショーがある。ヒカルさんは今までのやったこととかは全部ネットとかにあるし事前に出しちゃって、今からの話をトークすると思うよと言っていた。
「本命:坂口恭平、大穴:福住廉」とトークショー4つの人気とか面白さの予想を自分の中でしていたのでかなり楽しみにしている。
ヒカルさんは「アーティストじゃない」と自分でも言っているけど美術館で
『山下陽光とアトム書房調査のミョウガが空き箱のiPhoneケースになる展覧会』をやっているし、ツイートもなかなか伝わりにくいみたいだし、今度のトークショー名も「山下陽光とは何者だ!」と、もうわけわからないことだけはわかる。だけど何かが詰っていたりする人は、展示と福住さんとのトークショーで何か変わるかもしれません。作品どーのとかいろいろ書いたりしたけど、展覧会の内容とは何の関係もありません。そして鞆の浦はタイムスリップしたみたいな古い街並の良い観光スポットだけど、まったく何も無いから面白いです。なので展覧会へ行こうと思っている人はヒカルさん本人が居てトークショーがある時が話とかもできて一番楽しみやすいタイミングだと思います。
 

山下陽光のアトム書房調査とミョウガの空き箱がiPhoneケースになる展覧会

 

2014年1月18日(土) ・・・・・3月23日(日)
休館日 月曜日(祝祭日は開館し翌日休館)
開館時間 10:00~17:00
入館料 一般 500円(小学生以下・障がいのある方 無料)
(会期中何度でも入場できるパスポート制チケット)
鞆の津ミュージアム 〒720-0201 広島県福山市鞆町鞆271-1

 

僕は広島から友達と車1、2台で行く予定なので一緒に乗って行きませんか?とツイッターよりも声の小さい、このコメント欄で募ってみます。↓